ちゃおちゃお的美術講座 |
最後の晩餐 |
イエスの布教に関してはいろいろな説話があり、いろいろな解釈がなされています。 まあ、そう言うむずかしいことは専門の本に任せておくとしてこのページでは一気に「最後の晩餐」まで話を進めます。 イエスはユダヤ教の「改革者」でした。これも諸説あってなんとも言いきれないのですが、要は従来のユダヤ教の律法からの脱却や神への愛などを説いていたようです。 当時律法学者の権威というのは高かったようです。律法学者らは怒ってイエスがエルサレムで説教を始めたころから、彼を亡き者にしようとチャンスを狙いつづけます。そしてついにイエスの13番目の弟子ユダの買収に成功(銀30枚で)します。 陰謀がひそかに進む中、イエスと弟子達は全員で夕食を取っていました。そのとき、イエスが突然「この中の一人が私を裏切る。」と言い出したから、さあ大変。その場は騒然となってしまいます。これが「最後の晩餐」と呼ばれるモチーフです。 「最後の晩餐」はこの予言のシーンばかりがクローズアップされますが、もうひとつとても重要な意味を持っています。ユダが出て行ってしまった後、イエスはパンを取り「これは私の体」、ワインを取り「これは私の血、人類のために流される契約の血」と言います。 ローマ時代にはこれが誤解され、「キリスト教とはミサのとき人肉を食う」という風評が広まってしまい、キリスト教徒迫害に拍車をかけたこともありました。 さてイエスは万能で何でも予知できました。今回も危機の訪れを見事に予見します。では何故それから逃れようとしないのでしょうか。その謎は次回「キリストの磔」の項で説明します。乞うご期待! |