ちゃおちゃお的美術講座


ダビデ
 ドナテッロ、ヴェロッキオ、ミケランジェロが彫刻にした旧約聖書中の人物。フィレンツェ人が大好きな英雄。古代イスラエルの王。
 
 その昔イスラエルはペリシテ人と戦争をしていました。ペリシテ人の巨人戦士ゴリアテが、イスラエル人に挑戦をしてきた時、少年だったダビデは単身ゴリアテと戦い、見事これを打ち倒します。
 具体的には、まず石をゴリアテの頭に当てて倒し、ゴリアテの剣を奪い取ってその首をはねます。ドナテッロ、ヴェロッキオは敵の首をはねたあとのちょっと自慢げな様子を彫り、ミケランジェロはこれからまさに石を投じる瞬間を彫刻にしています。なおミケランジェロはダビデを少年でなく、若者として表現した。実際に真っ裸で戦ったのかどうかは定かではないです。多分着ていたでしょう。

 ダビデはこの活躍の後イスラエルの王に選ばれ、その子であるソロモン王の時代となってイスラエルは大いに栄えます。また救い主(メシヤ)も彼の家系から出ると予言されています。
 
 とにかくフィレンツェ人はダビデ好き。多くの敵に囲まれ、孤軍奮闘しているフィレンツェの人々に、昔のイスラエルが自分達とダブって見えたのかも知れません。戦争のたびに街の周りを敵に囲まれてしまうので、このような一撃必殺逆転のヒーローはいつも待ち望まれてもいたのでしょう。(そんな人最後まで現れなかったけど)。
 
 ちゃおちゃおの考察では、美形少年が大の男を倒すアニメの原型も彼です。(うそ)
 

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