捨子養育院美術館


 

サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場に面するアーケードを持った建物が捨子養育院です。1419年にブルネレスキが設計しました。

アーチとアーチの間には彩色陶板(テラコッタ)でできた子供のメダイオンが飾られています。

このアーケードの隅に子供を捨てるための受け付け台がありました。

今もその跡が残っています。

     
中には柱廊があります。独特の模様で飾られた静かな空間です。

     

柱廊に飾られたアンドレア・デッラ・ロッビアによる彩色陶板の「受胎告知」。
     
建物の中には小さな美術館があります。これが中のほとんどすべてです。いかに小さいかお分かりいただけるでしょう。他に一人も見学者はいませんでした。

中には、捨て子の衣装につけられていたリボンや半分に割ったメダルなども展示されていました。やむを得ず我が子を捨てることになった母親が、将来再会する時の目印として捨て子たちにつけたもので、母親のつらい心中が時を越えて伝わってきました。

ルカ・デラ・ロッビアの彩色陶板「聖母子」。

 

 
 
サンドロ・ボッティチェッリの初期(1467年頃)の作品「聖母子と天使」です。
師匠のフィリッポ・リッピの「聖母子像」
(ウフィッツィ美術館)の影響を濃く受けていることがはっきりとわかります。

 

 

 

ドメニコ・ギルランダイオの「三王礼拝」。
ギルランダイオらしく、美しい色彩とリアルな人々の表情が印象的な、とてもすばらしい祭壇画です。

     
ブルネレスキの設計した建物です。前のサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場と一体となって非常に美しい空間を構成しています。
ここは観光客もあまり多くなく、のんびりするのにいいです。美術館はとても小さいのですが、ギルランダイオの絵はめっけものです。