ヴェッキオ宮


 
  フィレンツェ共和国時代の政庁であったパラッォ・ヴェッキオは、現在もフィレンツェ市の市役所として機能しています。

パッツィ家の陰謀など、共和国に謀反を起こした死刑囚は、ここの窓から吊るされたのかと思うと恐いですね。

       
 

入り口の婦人警官は微動だにしません。  
     
  中庭にはヴェロッキオ作の「イルカを抱くキューピッド」のコピーがあります。

ヴェッキオ宮内にあるはずのオリジナルは、残念ながら修復中でした。

     
  共和国の会議場「五百人広間」。

この壁面を使って、レオナルドとミケランジェロが世紀の対決をするはずだったのですが、どちらも製作を中断したため、幻の壁画となってしまいました。

     
 

トスカーナ大公コジモT世の妃エレオノーラの住居だった「緑の間」。
     
 

「謁見の間」。

共和国時代には総督の会議や法廷として使われました。

       
  青地に金の百合の模様の壁が美しい「百合の間」。

ドナッテッロ作の「ユディットとオロフェルヌス」の像(オリジナル)は共和政のシンボルです。

 
       
  共和国政庁の書記局執務室。「君主論」で有名なマキアヴェッリの仕事部屋です。

出発前日まで塩野七生の「わが友マキアヴェッリ」を読んでいたちゃおちゃおにとっては、ひときわ感慨深い・・・。

部屋は簡素で、マキアヴェッリの胸像と肖像画がありました。
塩野さんによると、マキアヴェッリは脂性だったらしく、濃い黒髪はビロードのようにペッタリと頭にはりついていた、とのこと。
胸像からも肖像画からもどうやらその通り、と確認できました。

 
       
  コジモT世の命でヴァザーリが設計した「地図の間」。

ヨーロッパ、中近東、インド、マレー半島あたりまではかなり正確。
「日本はここだよ」と部屋にいたおじさんが教えてくれましたが、めちゃくちゃな地図でした。

 
       
現在もフィレンツェ市役所として使われているため、見学できる部屋はあまりたくさんありません。
でも、フィレンツェ共和国の中枢部だった部屋を実際に見ることができて、500年前のことをいろいろ想像してみるのも楽しいものです。