サン・マルコ美術館


 

15世紀メディチ家のコシモの援助でドメニコ会士のために修道院が建てられました。これがサン・マルコ修道院です。

サン・マルコ修道院は現在美術館となっています。

ここは一言でいえば「フラ・アンジェリコの美術館」です。

     

修道院入り口すぐにあるサンタ・トリニータの中庭。回廊にフレスコ画が描かれています。この中にもフラ・アンジェリコのフレスコ画があります。

開館後すぐなので人影はまばら。

     

回廊に設けられた墓室入り口上のちょっとユーモラスなフレスコ画。

聖者様?が指を口にあて「静かに、静かに」。

     

回廊横の巡礼宿泊所だった部屋。現在はフラ・アンジェリコの祭壇画などが展示されています。

ここでも結構時間を使ってしまいます。

正面に見えるのが「リナイオーリの祭壇画」。

     

参事会員室の「キリスト磔刑図」。

十字架の下で嘆いている人々はドメニコ会の方々などです。かなり大きな絵で迫力があります。

もちろんフラ・アンジェリコ作。

     

この絵は・・・なんだったでしょう。ぐぅ、記憶が・・・。

     

これは大食堂の壁に描かれたギルランダイオの「最後の晩餐」。ちゃおちゃおのお気に入りの一つ。

食事がテーマなだけに、修道院の食堂に好んで描かれました。

ユダ一人変な位置に座らされています。裏切りばればれ状態ですね。
「最後の晩餐」は多くの画家が画いていますが、皆ユダの位置は工夫していますよ。

たしかギルランダイオは、これとほとんど同じ構図の絵をが別の教会にも描いています。
それって手抜き?

     

フラ・アンジェリコの「受胎告知」。

ここ、階段の踊り場がベスト鑑賞ポイントです。

     

2階は僧房となっています。小さな部屋がいくつも続き、その一つ一つにキリスト伝が描かれています。
     

これは僧房の一つに描かれた「我にさわるな」。
蘇った自分に触れようとしたマリアを制して言ったキリストの言葉です。

この絵などはちょっと牧歌的で良いのですが、他の部屋には血がだらだらの十字架像などもあって・・・。 

     

廊下の突き当たりが修道院長だったサヴォナローラの部屋です。

彼が昔着ていたマントや使っていた聖書などが展示されています。左はサヴォナローラの火刑を描いた図。

聖書には彼自身の書きこみが残っていますが、すごく細かい字で、神経質に書いてあるのがとても印象的です。

     
サンマルコ美術館はとにかくフラ・アンジェリコとサヴォナローラです。(ギルランダイオも)
中庭と僧房を歩きながら当時の修道院の雰囲気を味わったような気がして楽しかったです。
サヴォナローラという神秘的人物がなかったら、もう少し軽いイメージの美術館になっていたような気がします。