バルジェッロ美術館・2


 
  「大委員会の広間」
かなり広い部屋であることがおわかりいただけることでしょう。しかもとてもすいていました。

奥にあるのは、オルサンミケーレ教会の外壁から移された武器製造組合の守護聖人「聖ゲオルギウス像」です。作者はドナテッロ。

     
    ドナテッロの「ダヴィデ」像。

ちゃおちゃおの今回の旅行の目的の一つは、このダヴィデ像をこの目で見ることだったと言っても過言ではありません。

こんな名作を手に取るような近さから、しかも四方八方から好きなだけ見られるなんて、まるで夢のようです。

     
  なんと優美で官能的な少年なのでしょう。

口元にうっすら浮かんだ微笑、しなやかな腰に当てた左手・・・。

言うことなし。

     
  この部屋でさらに絶対に見落としてはならないものがあります。

サン・ジョバンニ洗礼堂の青銅扉の製作者を決定する1401年のコンクールに出品された、ブルネレスキとギベルティによる「イサクの犠牲」のオリジナルです。

最終審査に残ったこれらの2作品は、600年経った今日でも2つ並べて展示されているのです。

     
  「洗礼者ヨハネ」。これもドナテッロの傑作です。

毛皮を着て十字架を持つお約束のスタイル。

     
  そのほか、ルカ・デッラ・ロッビアの「薔薇園の聖母」「リンゴの園の聖母」と呼ばれる美しい彩色陶板などもあります。

この部屋だけで1時間ぐらいかかってしまいそうです。

ほんとに去り難い場所でした。

     
  「象牙細工の間」には信じられないくらい細かい技巧を必要とする象牙の携帯用祭壇が展示してあります。

キリストの磔刑や聖母戴冠などのエピソードが非常に精巧に彫られています。

     
  こちらはヴェロッキオの「ダヴィデ」。

14歳で入門してきた少年レオナルドをモデルにして製作したと言われています。

美しいことは美しいですが、ちゃおちゃお的にはドナテッロの勝ち!

     
  一つ一つがいつのものなのかがわかればかなり面白いのでしょうが、たとえわからなくてもその膨大な量に圧倒されます。
 
ドナテッロの少年ダヴィデを前にして、思わず「あなたに会いにここまでやって来た。」と心の中でつぶやいてしまったちゃおちゃお。この世のブロンズ像の中で一番美しいもの、とちゃおちゃおは勝手に確信しています。

大理石にしろ、ブロンズにしろ、彫刻というものはこれでもか!と言わんばかりにドーン!と大きいのが普通ですが、なんと言ってもダヴィデは華奢で優美。個人的に趣味が一致しそうな方、そうでない方も必見です!!!

今回はとてもすいていたので、バルジェロ美術館の広い空間を、好きなだけ時間をかけてじっくりと鑑賞できたのは、大変幸運でした。

 

「バルジェッロ美術館・1」