シエナ ドゥオモ・2


 

ベッカフーミ作の天使像。主祭壇の両脇の柱に8体飾られています。
 
内陣にあるピサーノ作「八角形の説教檀」。周囲のレリーフはキリストの生涯を描いたもので、ライオンが支柱を背に乗せています。

 

このドゥオモに特徴的なことといえば、なんといっても「床」です。

これはシエナの町の紋章を中心に、さまざまな町の寓意が描かれています。シエナは、ローマ建国の祖ロムルスと一緒に狼の乳を飲んで育った双子のレムスによって造られたと伝説では言われています。

   

そのほか、聖書のモチーフを題材とした巨大な象嵌の装飾画がたくさんあります。

   

5年前は、床の装飾画のほとんどは、上から木の板を張って保護されており、毎年8月の短い期間を除いては、通常は1つか2つしか公開していませんでした。

しばらく前にドゥオモの入館料を取るようになってからは、以前よりも多くの装飾画を見ることができるようになりました。

   
実際に床の装飾画を洗浄している場面を目にしました。
このような地道な努力の積み重ねによって、何百年も前の傑作を、今日も私たちは鑑賞することができるのですね。

   
長らくライバルとしてお互いに争ってきたフィレンツェとシエナ。ドゥオモ一つ見ても、それぞれの違いがはっきりとわかります。
フィレンツェのドゥオモはほとんど装飾がなくあっさりした内陣で、市民公会堂という雰囲気なのですが、ここは象嵌、彫像、レリーフなどにびっしり飾られたこってりとした宗教の空間です。
このように一つ一つの教会が際立った個性を主張しているところが、いかにもイタリアらしいですね。
   

「シエナドゥオモ・1」